大学入試を控えた高校生に“あるある”なのが、志望理由(志望動機)書の書き方がわからないということ。
「そもそも、志望理由書ってなに?」
「どんな内容をどのように書いたら良いの?」
と、悩む高校生が多いと思います。
この記事では、そんな悩みを解消できるよう、志望理由書を考えるポイントを説明していますので、入試で自分をアピールすることに役立ててください。
【高校生用】作業療法士の志望理由(志望動機)書とは?
志望理由書とは、AO入試・推薦入試を受けるときに、受験校に提出する書類のことです。
この書類に書かれた志望理由・動機を元に、受験校は、受験者の基礎的な教養の程度や、アドミッションポリシー(学校側が求める学生像)への適合性、潜在的な資質、適性などを判断し、合否決定の材料とします。
高校内でもトップクラスの成績の人が不合格になったり、高校での成績があまり高くない人が合格したりした場合は、志望理由書が大きく影響していると考えます。
よって、志望理由書は合否に大きな鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。
そのため、志望理由書にどんな内容を、どのように書くのかが、とても重要になります。
大切な点は、「 相手の心を動かす」文章にすることです。
志望する学校に入りたいという積極的な熱意や意欲を文章で表現することが大切です。
また、面接のときに、志望理由書の内容に沿った質問を受けることも多いです。
面接官の質問に対して、自分が答えやすい内容にしましょう。
作業療法士とはどんな仕事!?簡単にわかりやすく説明します!も読んでいただけると、作業療法士の仕事内容もわかり、志望理由書も考えやすくなりますよ!
【高校生用】作業療法士の志望理由(志望動機)書の考え方
「志望理由書がどんなものかは分かったけど、文章の内容や構成がわからない」という人は、これから2つのパターンを紹介します。
この2つのパターンを参考にして、自分が書きたい内容に合わせて考えてみましょう。
希望・意志をはっきりと提示するパターン
① ② ③ の順で、文章構成を考えましょう。
① 意志・希望を提示する
・「将来、〇〇になりたい」「貴学の〇〇学科で学びたい」と提示する。
・その理由、きっかけとなったできごとを説明する。
・希望・意志の具体的なイメージを説明する。
(例)
私は作業療法士になるために、貴学の作業療法学科で学びたいと考えています。
作業療法士をめざしている理由は、人のためになりたい思いが強く、緻密な作業が大好きな私にぴったりの仕事だと思うからです。また、高校1年のときに、左上腕骨骨折で作業療法を受けたこともあり、作業療法士の方から勇気や元気を与えていただきました。それがきっかけで、私も作業療法士として患者様に関わりたい、患者様を良くしたいと思うようになりました。
そのために私は、医学的な知識や作業療法士としての手技を勉強して、一人でも多くの患者様に喜んでもらえるような作業療法士になりたいのです。
② 学校・学科の魅力を述べる
・意志・希望を実現に導く学校・学科の魅力などを説明する。
(例)
貴学の作業療法学科を志望したのは、幅広く作業療法について学べる講義を設けているところに魅力を感じたからです。実際の現場で学べる実習カリキュラムも充実しています。貴学でなら、きっと私が望むことが学べると確信しています。
③ 将来の展望にふれる
・大学生活でしたいこと、学びたいことなどを説明する。
・大学卒業後の仕事への意欲、ライフスタイル、人生観などを説明する。
(例)
もし貴学に入学することができたなら、たくさんの知識や手技を学ぶことはもちろんですが、アルバイトやサークル活動にも積極的に挑戦して、人とふれあうことを学び、将来作業療法士となったときに、それらの経験を活かしたいと思います。
冒頭で、問題を提起するパターン
① 問題を提起する
・「〇〇について私は強い関心を持っている」、「現代社会において〇〇は大きな問題だ」 などの文章で書き出す。
・関心を持つにいたった理由、実際の社会状況や問題などについて説明する。
・取り上げる問題については、インターネットやニュース、新聞などを使って、あらゆる情報を集めて、それらを理解した上で文章の構成を考えましょう。
(例)
高齢化社会(高齢者の介護)について、私は強い関心を持っています。
きっかけは、テレビで高齢化社会のドキュメンタリー番組を見たことでした。高齢者が高齢者の介護を行うため、介護者の負担が大きいという内容でした。
② 自分の考えを述べる
・この状況に対して、自分はどうすべきなのかと考えているのかを説明する。
(例)
この番組を見て、私はたいへんショックを受けました。高齢化社会という言葉は以前から知っていましたが、それは自分とはまったく無関係のことだと思っていたのです。けれど、実際に高齢者の人たちが困っている声をテレビで聞いたことで、自分のこれまでの無関心ぶりを反省すると同時に、私が何かの役に立つことはできないのだろうか、私に何ができるのだろうかという気持ちになってきたのです。
③ 学校・学科で学びたいこと・志望大学の魅力を述べる
・大学で何を学びたいのかをできるだけ具体的に説明する。
・その大学の魅力について説明する。
(例)
以来、私はインターネットなどで情報を集めて、自分なりに高齢者の介護問題について考えてきました。そして、もっと深い専門的な知識を身につけたいと、大学ではこのことをテーマに学ぼうと決めたのです。
貴学を志望したのは、作業療法学科の中でそれらの問題についてじっくりと学べるカリキュラムが、整っているからです。
④ 将来の展望を述べる
・大学生活への抱負、取り上げた問題に関わる自分の将来像などを説明する。
(例)
ぜひ、貴学に入学して、高齢者の肉体面・精神面を深く学ぶとともに、作業療法士として高齢者に携わっていきたいと考えています。
【高校生用】作業療法士の志望理由(志望動機)書の例文
具体的な志望理由(志望動機)の例文を載せていますので、参考にしてください。
(例1)
私は、大学を卒業したら作業療法士になって、障害を抱えている人たちを支えていきたいと考えています。
きっかけをくださったのは、中学のときに出会った作業療法士です。小学校の頃からバレーボールに熱中していた私は、中学でもバレーボール部に所属し、練習を休んだこともなく、全国大会を目指して毎日バレーボールに励んでいました。ところが、あと1か月で大会というときに、肩を脱臼してしまったのです。大会への出場は困難な状況でした。そんな状況を受け入れることができす、落ち込んでいた私を励ましてくだったのが、リハビリの担当であった作業療法士です。作業療法士は「どんな状況でもできることをやりましょう」と、部活に参加するよう何度も促してくださったのです。
結局、私は、後輩に指導をしたり、コートの外から練習を応援したり、下半身を鍛えたりするようになりました。そして3か月後に復帰したときには、鍛えた下半身で動きが俊敏になっていました。
もし、あのとき作業療法士が励ましてくださらなかったら、そんな成果は得られなかったでしょう。私は作業療法士に感謝すると同時に、状況を柔軟にとらえて対処することの大切さを知ったのです。そして、いつしか自分もその作業療法士のようになりたいと考え始めていました。
貴学を志望したのは、作業療法におけるカリキュラムが充実しているからです。作業療法は幅広く分野があり、貴学ではどの分野も深く勉強でき、将来、どの分野で作業療法士をしても活かせると思います。
学校案内のカリキュラムを見て、早く学びたいと期待でワクワクしています。どうぞ、よろしくお願いします。
(例2)
50年後、私は68歳になります。そのとき、日本はどんな医療社会になっているのでしょうか。医療・福祉は充実しているのでしょうか。高齢化社会になっている日本の現状を考えると、少し不安になります。
いま私は広島県に住んでいますが、母方の祖母は鳥取県で1人で暮らしています。両親は一緒に住もうと言うのですが、祖母は生まれ育った土地を離れたくはないようです。しかし、電話をして連絡がとれないと、母も私も心配になります。それは、以前、テレビでお年寄りの方の孤独死が増加していると聞いたからなのかもしれません。
私は、生まれた土地で暮らしたいと考える祖母を尊重したいですし、これから増えていく1人暮らしの高齢者の方々を応援したいと考えています。そのためにも日本の社会は高齢者の個性を発揮できるコミュニティをつくったり、仕事の場や高齢者専用の連絡網をつくったり、年金制度をはじめ、さまざまな制度を充実させる試みをスピードアップして行うべきだと考えています。
それは高齢者のためだけではありません。高齢者に優しい国、高齢者の住みやすい国になることは、あらゆる年代のあらゆる暮らしの人たちにとっても、安心できる住みやすい国になることだからです。そんな社会が実現してほしいのです。
そのために、私も行動したいと思います。貴学の作業療法学科で、老年期(高齢者)分野の作業療法士をめざしたいのです。作業療法学科のカリキュラムは、座学・実技・実習で充実しています。私は、そうした教育を受けることで、自分の視野を広げ、深く考える力を身につけることができると考えています。
〈追伸〉
参考までに、1冊の本を紹介しておきます。
志望理由書で自分をアピールし、他学生と差をつけましょう!!
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