現在、現役で作業療法士をしながら「この仕事は、自分だけがつらいの?」と、思っている人がいると思います。
また、作業療法士を目指している学生の中にも、勉強や実習を通して「作業療法士の仕事はつらいかも?」と不安な気持ちになっている人もいるでしょう。
正直な話、つらく、大変な部分はあります。
しかし、どの仕事にも「つらい・大変」はあります。
ぼくは作業療法士になる前は、機械設計の仕事をしてましたけど、その仕事にも「つらい・大変」はありました。
前もって、作業療法士の「つらい・大変」を知っておくと、気持ちの準備ができて、割と楽に感じるかもしれません。
この記事では、作業療法士での仕事の辛いことや大変な事を記載してますので、参考にしてください。
作業療法士の仕事がつらい理由とは?
ここでは「作業療法士の仕事は何がつらいんだろう?」と疑問に思っている方のために、つらい理由を説明します。
対象者とのコミュニケーション
作業療法士は対象者とのコミュニケーションがとても大切です。
コミュニケーションをとることで対象者との信頼関係を築き、リハビリへの意欲を向上させることができるからです。
信頼関係を築くことができていない場合、患者へのプログラム説明が難しくなってきます。
作業療法士は、食事、更衣、などの日常生活動作を要素として取り入れたリハビリを行います。
その際、プログラムの目的がわかりにくく、対象者によっては、「なんのためにこんな作業をやらせるのか」と怒って、リハビリに取り組んでくれない人もいます。
だから、コミュニケーションは必要なのです。
しかし、対象者の状態や性格によって、コミュニケーションのとり方を変化せる場合があります。
よって、先輩方のコミュニケーション方法を参考にしてコミュニケーション力を学ぶことや、対象者に合わせた接し方やタイミングを見極めることが必要です。
体力が必要
体力と言っても、身体的と精神的の2種類ありますので、区別して見てみましょう。
① 身体的疲労がつらい
作業療法士の仕事は、働いている分野によって違いはありますが基本的には身体的体力が必要な仕事です。
ぼくの場合、1日に10~15人ほどの対象者をリハビリしていました。
作業療法士も対象者の身体を触り、関節可動域訓練・筋力訓練などを行います。
脱力した腕や脚は重たいですし、何人もの対象者にリハビリを続けて行うと、さすがに肩や腕が凝って疲れます。
また、対象者がベッドから起き上がるとき、ベッドから車いすへ移るとき、歩行するときなど、介助を行うことも楽ではありません。
対象者のリハビリ中の介助はもちろんのこと、1日中動き回っているという感覚なので、仕事終わりには疲れがドッと押し寄せてきます。
② 精神的疲労がつらい
医療・福祉の領域で働いていると、いろいろな人とのコミュニケーションが必要になります。
対象者・家族はもちろんのこと、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、介護士、ケアマネジャーなど、さまざまな人と話す機会が多くなります。
しかし、コミュニケーションの大切さもわかっていますが、コミュニケーションがしんどくなって、「もう、会話したくない!」となることがあります。
・訳わからない言いがかりを言ってくる家族
・ずっと話し続ける対象者
・キャンキャン吠えまくる看護師
・影で悪口ばかり言っている同僚
こんな状況でも、人間相手の仕事なのでいつもニコニコしていなければなりません。
本当に精神的につらいです。
知名度が低い
作業療法士の知名度はまだまだ低いです。
ほとんどの対象者・家族は「作業療法士ってなに?」っで感じだし、医療関係者からでも「理学療法士さ~ん!」って呼ばれることが多いです。
自分の仕事が理解されていないとつらいです。(理解してもらうための動きも必要ですけどね。)
作業療法士が頑張っても、理学療法士のおかげになることもあります。
医師に「作業療法の指示を出してください」と言ったときに、「作業療法は何をするの?」と医師から聞かれるときはつらいです。
自己研鑽が常に求められる
リハビリの手技手法は、日々めざましい勢いで進歩しています。
そのため、作業療法士はほかの医療職と同じように、常に勉強して自身の知識や技術を最新のものに更新し続けることが必要です。
業務終了後に勉強会や症例検討会などを1ヶ月に数回も実施している病院や施設も多く、勉強のために休日が潰れるケースもあります。
特に家族がいる方は、休日は家族と過ごしたいと思いますので、勉強する時間を作るのに苦労します。
対象者に最適なリハビリを行うためには、自分の知識を増やし、技術を向上させることが必要になりますが、決して負担は軽くはありません。
また、専門知識や技術を習得しても、給料などの待遇面に反映されることが少なく、自己研鑽を続けるモチベーションを保つことが大変です。
セクハラがつらい
セクハラは女性作業療法士の被害が多いです。
「対象者と2人きりのときに下ネタをいわれた」
「対象者を介助したときに胸を触られた」などあります。
また、対象者が相手なので強く言い返せず、とても悩んでいる方もいます。
しかし、すべての男性患者さんがそうではありませんので、安心してください。
それと、女性対象者から男性作業療法士へのセクハラは少ないです。
作業療法士の仕事がつらい時は誰かに相談しよう!!
作業療法士の仕事がつらくなったら、誰かにそのつらさを話せば、少しは気持ちが楽になります。
先輩・同僚の作業療法士に相談しよう!
作業療法士の仕事がつらくなったら、一人でつらさを抱え込まず、先輩・同僚の作業療法士に相談しアドバイスをもらい、そのアドバイスから改善策を考え行動します。
この流れを繰り返していくと、自分で「つらいこと」との乗り越え方や向き合い方を見つけられるようになります。
転職を考えよう!
作業療法士の仕事がつらく、先輩・同僚の作業療法士に相談しても解決できない場合は、今の職場は向いていないのかもしれません。
「人が足りないのに、辞めるのは申し訳ない」
「3年間は頑張って働いてみよう」
と考え、作業療法士の仕事がつらいと思いながら、我慢して働いている人は多いと思います。
しかし、作業療法士の仕事がつらいと感じているなら、転職に向けた行動を始めてみるべきです。
転職活動はつらさが限界を超える前に始めることが大切です。
ダラダラとつらい仕事を続けても、あなた自身がさらに苦しくなるだけです。
冷静なうちから小さな転職活動を始めると良いです。
現状の仕事がつらいなら転職をして、新天地の空気を感じてみるのもひとつの手だと思います。
参考記事:作業療法士の仕事がつらい場合は、絶対に転職した方が幸せになれる